伊豆河童が製造過程を公開する理由
最初にお伝えしたいこと
伊豆河童は、伊豆天草100%と柿田川名水で、昔ながらの手づくりの本場伊豆のところてんを作っています。作り手の想いをお客様にお伝えします。
まず、最初にお伝えしたいこと。それは・・・。
- 伊豆半島がところてんの原料の天草の特産地だということを多くの方に知ってもらうため。
- 本当のところてんというものはどうやって作られているかを多くの方に知ってもらい、後世の子供たちに伝えたいため
- 本当のところてんは美味しいものだと知ってもらうため
- 産地や製造過程などごまかせない状況を自ら作っているため
- そして、何より、ところてんをたくさんの方に好きになってもらうため
本場伊豆のところてんづくり
まずは、天草を丁寧に洗います
伊豆半島の天草を丁寧に洗います。
天草は稲取、下田、須崎、南伊豆町、松崎、堂ヶ島、土肥などの伊豆の各地で取れます。産地によって、赤草、晒し、反晒し等、干し方も様々です。沖草、寄り草、男草、女草 などなど細かく分けると実はもっとたくさんの種類があります。
産地によって天草の特長が違います。それぞれの天草の特長を生かし伊豆河童らしいところてんにするために、数種をブレンドをしています。
伊豆河童では通常の2倍ほどの天草を使います。これが、コシのあるしっかりとしたところてんの出来上がる要因のひとつでもあります。(もちろんこれだけが理由ではありません)
次に、天草をじっくり煮込みます
朝7時頃、柿田川湧水をたっぷり釜(解放釜)の中に入れ、煮込みを開始します。圧力釜で天草を煮る製造法もありますが、伊豆河童は開放釜で天草を煮ます。
開放釜を使う理由は、じっくりと天草の煮具合を確認することができるからです。蒸気を使って間接的に煮あげていきますが、最初は強火で一気にグツグツと煮あげます。
そして、落ち着いたら弱火で5時間前後コトコトと煮込みます。
一般的に、圧力釜を使うと大量の製造も2~3時間の短時間で煮あがってしまいます。しかし、釜を開けることができない為、どんなところてんになるかは蓋を開けてみないとわかりません。あまり出来が良くなくても、もちろん大量に作ってしまっているのでそのまま製品にしてしまいます。
煮上がった天草を絞ります
職人技の見せどころ。ところてんがいい具合に煮あがったら、ところてんの素になる液を絞り出します。この辺が職人技で、天草の顔色を見ながら長年の勘で煮あがり具合を見定めます。
夏場でも冷房は工場にありません。なぜなら、暑いからと言って冷房をかけると、液を型にいれる前に固まってしまって、ところてんになってしまう可能性があるからです。かなりの重労働と暑さのため、慣れないと熱中症になってしまうかもしれません。
ゆっくりゆっくり冷やします
モーターを使って一旦煮汁を大型タンクに入れます。この時、釜の中のところてんの原液の半分くらいは自動でタンクに入れるのですが、残りの半分くらいは天草に残っているので、これを絞り出します。
煮あがった天草はとても熱く、販売されているゴム手袋の一番厚い種類で耐熱のものを使い、全体重をかけて濾し出します。
この作業を約十回ほど繰り返します。
熱くてつらい作業ですが、ところてん液をつくる工程がとても大切です。一番しっかりとした美味しいところてんになるので、ここだけは避けられません。
そして、天草を絞った液を全部一旦タンクにためたら、型に流していきます。
こんな感じの飴色に輝いているのが伊豆産天草100%から抽出したところてんの原液の証拠。
美味しいところてんは、きれいな飴色が出来上がった時に
「今日も美味しいところてんになりますように・・・」
そんな願いを込めて、午後3時頃から自然冷却で固めていきます。 ところてんは常温で固まっていきますので、急激に冷やすことなく、ゆっくりゆっくりところてんになっていきます。
特注ところてん突きで突き出す
そして、翌朝。
大きな型には、しっかりと固まった伊豆河童のところてんが出来上がってます。ゆっくりゆっくり、約15時間くらい常温で固めたところてん。この巨大なところてんの塊は約18キロ。これを、特注のステンレスの大きな刃型で約2キロの塊に切っていきます。
さらにこの塊を、特注の業務用ところてん突きで突いて、ようやく通常のところてん突きに入る大きさにします。この豪快で巨大なところてん突きは、ところてん専門店にしかありません。(※ひとつ数万円するほどのところてん突きです。)
これで伊豆河童の突き棒に入れるところてんの出来上がりです。
・・・しかし、伊豆河童はところてん製造だけを考えているわけではありません。
伊豆河童の使命とは
伊豆河童のところてん。その最大の特徴は、やはり、伊豆天草で作っている事。他の海藻などと混ぜ合わせることなく、純粋に伊豆天草だけで作っています。
これは、伊豆のところてんへのこだわり、地元への還元、地元の活性化をも考えているからなのです。もしかしたら、天草以外の海藻などを使用したら、もっと違う食感が生まれるかもしれません。
しかし、伊豆河童は地元で育ってきたお店。伊豆を裏切るわけにはいきません。あくまでも、伊豆にこだわって原料の天草を仕入れています。
年々、天草漁の海女さんが高齢化、そして減少する中、伊豆河童ができることは何なのか? 伝統の伊豆ところてんを伝えることが、伊豆河童の使命です。