伊豆半島の手摘み天草
ところてんの原料といえば天草。天草はほぼ全国で採れますが、伊豆半島は全国でも優良天草の採れるところです。
伊豆河童の原点
伊豆天草はやっぱり伊豆河童の原点です。伊豆河童のところてんづくりに、伊豆天草は欠かせません。地元伊豆の天草をふんだんに使います。伊豆産以外の天草や、他の種類の海藻は混ぜません。
海女さんが採る沖草国産の中でも最高級の伊豆天草
伊豆半島の天草は高級天草として知られていて、一般の天草の価格の約二倍の高値となっています。 海女さんが海に潜って手摘みした「沖草」は、最高級天草です。伊豆河童では、主に手摘みの天草を使います。
【赤草】海女が海からとった天草をそのまま天日に干したもの塩と海の香が強く残り、出来上がりのところてんは黒っぽくなります。
【晒し】海から上げたあと直ぐに真水で洗い天日で干します。海の香は弱くなり、出来上がりのところてんは白くなります。
おいしいところてんを作るには3~4種類の天草をあわせ、その性質をとり出して使っていきます。
独自のブレンドで
職人が手間をかけます
おいしいところてんを作るには3~4種類の天草をあわせ、その性質をとりだして使っていきます。天草の種類や色(赤と晒し)を、独自の配合でブレンドしています。天草を見極める職人は、真剣そのものです。(ページ下部の表参照)
天草について
天草の品質・産地
天草はほぼ全国で採れますが、一般的には太平洋岸の方が量が多く品質も良いとされます。
更に、磯に近く波が常に荒いところのものが良いとされます。沖のあまり流れのない深いところの天草は草丈は高いが細く、ところてんにすると粘りが少なく物足りません。 また、波にもまれてちぎれて流れてくるものより、直接潜って採ったもののほうが上質です。
採取時期は、5月から6月の春ものの方が、夏に入って採るものよりも、ところてんにしたときに粘りがあってよいとされています。
近年、天草は、韓国、北朝鮮、中国、チリ、モロッコ、ポルトガル方面から年間約1000トンほど輸入されています。品質は国内産の方が良く、輸入物は主に寒天製造用に使われます。
伝統的漁法(素潜り漁法)
伊豆半島では昔から女性(海女)の素潜りで天草漁をしています。西伊豆ではまだ盛んに素潜り漁法がおこなわれていますが、東伊豆の特産地稲取では1人となっています。
通常は船から酸素をチューブで供給してもらい操業しています。なお、愛知県の知多半島では酸素ボンベを背負い潜水し採取します。乱獲防止、資源保護の為に、1日あたりのボンベ本数の取り決めがあります。
天草の種類と特長
テングサ属 | マクサ | 一般的にはこれをテングサといっている。 |
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オオブサ | 一般的にはこれを“あらめ”といっている。 | |
オニクサ | ところてん用として一部使う。 | |
ヒラクサ | ところてん用としてはあまり使われません。 | |
オバクサ属 | オバクサ | ところてん用としてはあまり使われません。 |
オバクサ属 | オバクサ | オバクサ 、ドラクサ 、ワタクサ等があります。 |
ユイキリ属 | トリアシ | ところてん用としてはあまり使われません。 |
マクサ(てんぐさ)赤 | ところてんに粘りを出し、色は濃い赤色になります。 |
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オオブサ(あらめ)赤 | ところてんの腰を強くし色は濃い赤色になります。 |
あらめ混 | まくさにあらめが混じっているもの、伊豆大島産が多い。 |
赤草 | 赤草(汐赤) | 水揚げしたものを選別した後、そのまま干し上げたもの。 |
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赤草(汐抜) | 水揚げしたものを一度水につけ干し上げたもの。伊豆産。 | |
晒し草 | 赤草を水で洗浄したのち、天日により晒上げたもの。 晒草を使うと色は薄くなりますが、ところてんにつやが出ます。 | |
黄晒草 | 採取後すぐさらしたもの。 | |
青晒草 | 採取後3ヶ月以上経過後さらしたもの。 | |
とら晒 | 赤草を一部晒したもの、40%ほどの晒草(青晒)が入っている。ねばりが出る。 |