料理やデザートに幅広く活用できる便利な食材・粉寒天ですが、「溶けない」「ダマになる」など、レシピ通りにやってもうまくいかないことがあります。
今回は粉寒天を溶かす時の基本手順とポイントを、Amazonの「中小企業を進化させるAmazonのDXサポート」として「About Amazon」にも紹介された静岡県清水町にある創業明治二年・ところてん専門店『伊豆河童』がご紹介します。
粉寒天とは

粉寒天は、主な原材料として海藻の「天草(テングサ)」や「オゴノリ」などの紅藻類が使われています。
天草を原料とする粉寒天は、天草を煮て搾ったところてん液を冷まして固めたところてんを乾燥・粉砕してつくられ、ミネラルや磯の香り、自然の風味を感じやすいのが特徴です。
一方、オゴノリを原料とする粉寒天は、工業的な処理をすることで硬さや粘度が調整されてはいますが、製造の過程で凝固成分以外の風味は薄れます。
料理の種類や目的に応じて使い分けることで、最適な食感と風味を楽しむことができるのが粉寒天の良いところです。
粉寒天を溶かす時の基本手順とポイント

それでは、ここからは粉寒天の基本の使い方とうまく溶かすためのポイントを解説していきます。
粉寒天の基本の使い方
しっかり固めの寒天に仕上げる場合は、粉寒天4g(小さじ2)に対して水500ccが基本の分量です。水の量を増やす(600〜700cc)とより滑らかな食感に仕上がります。
<溶かす手順>
- 粉寒天と水を鍋に入れて中火で加熱し、かき混ぜながら沸騰させる。
- 沸騰状態を保ったまま、さらに2分程中火で煮溶かし、鍋を火から下ろす。
- 寒天液が熱いうちに型に流し入れ、粗熱を取り、冷蔵庫で30分程冷やし固める。
粉寒天を上手に溶かすための3つのポイント
粉寒天はただ温めれば溶けると思われがちですが、手順の中でいくつかのポイントがあります。
ここをきちんと押さえておくことで、仕上がりも大きく変わってきますよ。
<ポイント1>事前に常温の水でふやかしておく
粉寒天を加熱する前に常温の水に15~30分ほど浸してふやかすことで、吸水した寒天が膨張し、加熱した際に溶けやすくなります。
これをやることで、劇的な違いは感じられませんが (むしろ固まる時間はいつもよりちょっと長く感じるかもしれません) ただ、ダマにならず均一に固まってくれます。
ちょっとしたひと手間、大切ですね。
牛乳やジュースなど、不純物のある液体を使うと溶け残りの原因にもなるため、水だけで溶かすことがポイントです。
<ポイント2>いきなり高温で加熱はしない
寒天を固めるためには十分に煮溶かすことが重要ですが、はじめから高温で加熱してしまうと寒天が溶けきらず、ダマになってしまいます。
鍋を中火からかけて細かな泡が立ち沸騰してきたら、火加減に注意しながら2分ほど沸騰の状態をキープさせます。
<ポイント3>こまめにかき混ぜる
粉寒天は比重が重く沈みやすいため、沸騰状態の間にヘラや泡立て器を使ってこまめにかき混ぜると、ダマができにくくなります。かき混ぜ方が足りないと溶け残りとなってしまうため、鍋の底からこするようにゆっくりと混ぜていきます。
粉寒天のおすすめレシピ
cookpadの「ところてんの伊豆河童のキッチン」から、粉寒天を使ったおすすめレシピをご紹介します。
柔らかフルフル牛乳寒天

柔らかさの限界に挑戦!の一品です。
寒天なのに硬くない!! すっと溶ける食感の牛乳寒天です。
甘さ控えめなレシピなので酸味のあるフルーツともよく合いますよ。
https://cookpad.com/jp/recipe/images/7508951?image_region_id=84
まとめ
粉寒天の溶かし方に気をつけることで、寒天の仕上がりは大きく変わります。
「事前に常温の水でふやかしておく」
「いきなり高温で加熱はしない」
「こまめにかき混ぜる」
この3つをおさえておくことで「寒天が溶けない、固まらない」という悩みは避けられるはずです。ぜひ試してみてくださいね。
伊豆河童の粉寒天
伊豆河童の粉寒天は最高級と言われている伊豆産の天草を100%使っています。
国内で、手間と時間のかかる製法で丁寧に作る国産粉寒天。
無漂白・無添加なので淡いベージュ色をしています。
これこそ本物の証。
ミネラルが含まれていて、自然の風味がある、伊豆河童の国産粉寒天をどうぞお試しくださいませ

静岡県在住ラジオパーソナリティー&インターネット新聞記者。おいしいものとデジモノが好きです。
伊豆河童店長の「伝統の伊豆ところてんを伝え、伊豆の海女さんを守りたい」という思いに共感し、2022年11月より伊豆河童のよみものを担当。
好きなところてんのたれはほうじ茶蜜。
あなたは寒天についてどれだけ知ってる?糸寒天・棒寒天・粉寒天の違いや使い方を徹底解説!
https://www.tokoroten.co.jp/blog/kanten/