海藻からできている寒天は、健康効果に優れ、便秘の解消やダイエット、生活習慣病の予防などさまざまなメリットがあります。
今回は寒天の効能について、静岡県内のローカルテレビ:SBSテレビの「LIVEしずおか」でも紹介された静岡県清水町にある創業明治二年・ところてん専門店『伊豆河童』が解説していきます。
寒天とは
ゼリーや和菓子作りなどに使われる寒天は「紅藻類」に属する海藻からできています。
天草(テングサ)にオゴノリなど他の海藻を加えて、煮て煮汁を冷やし、出来上がったところてんを屋外で凍結・乾燥させたものが寒天です。
寒天の特徴
寒天の特徴はなんと言っても食物繊維を豊富に含んでいるところ。寒天はあらゆる食品の中で、トップクラスの食物繊維含有量です。
食物繊維は人の消化酵素で消化できないため、小腸で分解されることなく大腸まで届き、便のかさ増しをしてくれます。
脂質・糖・ナトリウムなどを吸着して身体の外に排出する働きがあり、肥満や脂質異常症(高脂血症)・糖尿病・高血圧など生活習慣病の予防・改善にも効果が期待できます。
これまで、食物繊維は体の構成成分やエネルギーにならず、役に立たない成分とされてきましたが、近年、整腸作用など身体の中で有用な働きをすることが注目され、第6の栄養素といわれるようになりました。
厚生労働省 e-ヘルスネットより
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-016.html
1995(平成7)年と1998(平成10)年に国内11保健所管内に住む45~74歳で、ガン・循環器疾患になっていない約9万人を約20年間追跡した多目的コホート研究(JPHC研究)では、食物繊維摂取量と死亡リスクの関係を調べたところ、食物繊維摂取量が多いほど総死亡リスクが低下し、循環器疾患死亡のリスクが低かったという調査結果が発表されています。
多目的コホート研究「食物繊維摂取量と死亡リスクの関連」
https://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/8484.html
寒天の効果
ここでは寒天の効果について具体的に紹介していきます。
1. 便秘の改善
海藻からできている寒天には、食物繊維が豊富に含まれています。
食物繊維には、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維がありますが、寒天にはその両方が含まれていることも魅力の一つです。
「水溶性食物繊維」・・・ 便通改善。腸内環境改善。コレステロール値低下。食後血糖値の上昇を抑える。
「不溶性食物繊維」・・・腸内環境を正常化。腸のぜん動運動を活発にする。便秘解消。水分を吸収し膨らみ大腸まで届く。
寒天に含まれるこの2つの食物繊維によって、腸内環境が整い、便秘の改善へとつながっていきます。
2. ダイエットサポート
低カロリー・低脂肪で食物繊維豊富な寒天は、ダイエットのサポートをしてくれます。
水溶性食物繊維と不溶性食物繊維、両方を含む寒天は、腸内の老廃物や有害物質を体外に排出するデトックス効果にも優れています。
食物繊維は消化の過程で水分を吸収し、お腹の中で膨らむ性質があるので、満腹感が得られて食べ過ぎも防止されます。
我慢せず・無理せず継続できる「苦しくないダイエット」、これも寒天の魅力のひとつです。
ところてんダイエット
3. 生活習慣病の予防
寒天に含まれる食物繊維:水溶性食物繊維は、食後の血糖値の上昇を抑える働きをしてくれます。
水溶性食物繊維を含む寒天を摂ることで、糖尿病予防・高血圧・動脈硬化など、生活習慣病の予防につながっていきます。
「長野県寒天水産加工工業協同組合」が茅野市・医師と協力して行なった、天然寒天についての調査では、茅野市内の40〜70歳の男女60人が、3ヶ月間、週に5回以上天然寒天をご飯・味噌汁・スープなど日常の食事に加えて食べたところ、体重・血糖値(ヘモグロビンA1c)、悪玉コレステロール、中性脂肪が低下したという調査結果が発表されました。
3ヶ月経ってまた普段の食生活に戻したところ、数値がまた増加してしまったとのことなので、毎日継続して寒天を食べることが大切、ということが分かります。
4寒天を食べると美肌になる!?
寒天に多く含まれる食物繊維によって便秘が解消されることで、美肌にもつながっていきます。
老廃物の排出が促進され、吹き出物やくすみなどの肌トラブルを防ぐことができます。
また、寒天に含まれるアガロペクチンは、紫外線によるコラーゲンの破壊を予防する働きも認められています。
コラーゲンは皮膚の弾力性と強度を保つためにとても重要な役割を果たします。コラーゲンが減少すると、肌のハリや弾力が失われ、シワやたるみの原因になります。
コラーゲンの破壊を予防するアガロペクチンを取り入れて、美肌を保っていきましょう。
寒天を摂る時の注意点
寒天はとっても健康的な食品ですが、何事も「過ぎたるは及ばざるが如し」。
食べ過ぎには注意しましょう。
寒天の1日の摂取量目安は約6g
寒天を食べすぎてしまうと、腸内で余分な水分を吸収しすぎてしまい、下痢を起こしてしまったり、消化不良を起こしたりしてしまうことがあります。
適量を心がけていきましょう。
一回にたくさん食べてしまわずに、数回に分けて食べるのもおすすめです。
サプリメントなどで食物繊維を多量に摂り過ぎてしまうと、ミネラルなどの吸収を妨げることもあるので注意が必要です。
そしてもうひとつ大切なことは、寒天を食べたら水分を行うこと。
寒天自体には栄養があまり含まれていないので、寒天だけを食べるのではなく、バランスの良い食事を心がけていきましょう。
まとめ
・あらゆる食品の中で群を抜いて食物繊維を豊富に含む寒天
・便秘改善、ダイエットサポート、血糖値のコントロール、コレステロールの低下、美肌効果など、 さまざまな健康効果がある
・食物繊維含有量トップクラスの寒天で腸内環境を整えて、身体の内側から美肌に。
お通じを改善してぷるぷるの美肌を目指していきましょう。
ぜひ毎日の食生活に寒天を取り入れて、健康的に過ごしていきましょう!
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静岡県在住ラジオパーソナリティー&インターネット新聞記者。おいしいものとデジモノが好きです。
伊豆河童店長の「伝統の伊豆ところてんを伝え、伊豆の海女さんを守りたい」という思いに共感し、2022年11月より伊豆河童のよみものを担当。
好きなところてんのたれはほうじ茶蜜。
ところてんと寒天の違い
https://www.tokoroten.co.jp/blog/history/